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十二支は三角と四角でできている
── 5は12を割り切れない

十干は10、十二支は12。10は五行の5で割り切れますが、12は5で割り切れません。十二支を円に並べて図形として見ると、この割り切れなさが四柱推命の五行バランスを構造的に偏らせていることが分かります。43万8,300の命式を数えて確かめました。

2026-09-23 / 陰陽道ラボ

三角形4つ、正方形3つ

十二支を時計のように円に並べます。12は3でも4でも割り切れるので、4つおきに結ぶと正三角形、3つおきに結ぶと正方形ができます。そしてどちらにも、昔から名前が付いていました。

子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 三合 ── 正三角形 4つ(4 × 3 = 12) 水局 申・子・辰 木局 亥・卯・未 火局 寅・午・戌 金局 巳・酉・丑 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 四正・四生・四庫 ── 正方形 3つ(3 × 4 = 12) 四正 子・卯・午・酉 季節のまんなか 四生 寅・巳・申・亥 季節のはじまり 四庫 丑・辰・未・戌 季節の終わり・すべて土
図1 左は三合(正三角形4つ)、右は四正・四生・四庫(正方形3つ)。同じ12個の点が、二通りの図形に分けられます。

三合は、正三角形をつくる3つの十二支が結びついて、ひとつの五行を強めるとされる関係です。申・子・辰で水局、亥・卯・未で木局、寅・午・戌で火局、巳・酉・丑で金局。

正方形の3つは、季節のどこにあたるかの分類です。子・卯・午・酉が季節のまんなか(四正)、寅・巳・申・亥が季節のはじまり(四生)、丑・辰・未・戌が季節の終わり(四庫、四墓とも)。

どの十二支も、三角形ひとつと正方形ひとつの交点に、ちょうど一回だけ乗ります。4 × 3 = 12 なので重なりも漏れもありません。たとえば子は「水局の三角形」と「四正の正方形」の交点です。

だから、どの三合の三角形にも四生・四正・四庫がひとつずつ入っています。水局なら申(はじまり)・子(まんなか)・辰(終わり)。三合が「生まれて、盛りを迎えて、しまわれる」ひとつの流れとして語られるのは、この形そのものです。

記事006で、フラワー・オブ・ライフは三角格子、洛書は正方格子でできていると書きました。十二支の円は、その三角と四角を同時に含んでいることになります。ただし、これは12が3と4の両方で割り切れるという数の性質から出てくることで、二つの図形の体系に共通の起源があるという話ではありません。

5は12を割り切れない ── しわ寄せは土に来る

十二支にも五行が割り当てられています。数えるとこうなります。

五行十二支数
木寅・卯2
火巳・午2
土丑・辰・未・戌4
金申・酉2
水亥・子2

12個を5つの五行に均等には分けられません。四季にあたる木・火・金・水が2つずつ取り、残りの4つを土が受け持っています。そしてその土の4つは、図1の右で塗りつぶした四庫の正方形そのものです。土は、季節と季節のつなぎ目に置かれています。

いっぽう十干は 10 = 5 × 2 なので、どの五行もちょうど2つずつです。命式は十干4文字と十二支4文字でできているので、十二支の側にだけ土への偏りがあることになります。

検算 ── 五行バランスは土に偏るか

理屈のうえでは、十干4文字から各五行が平均 4 × 2/10 = 0.8個、十二支4文字から土は 4 × 4/12 = 1.33個、ほかは 4 × 2/12 = 0.67個。合わせて土 2.13個、ほかは 1.47個になるはずです。

実際の命式で確かめました。1950年から2049年までの100年間の全日について、12の時辰すべての四柱を計算し、合計438,300の命式で五行を数えています。

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 木 平均 1.477個・0個になる確率 20.2% 1.48 木 0個 20.2% 火 平均 1.474個・0個になる確率 19.2% 1.47 火 0個 19.2% 土 平均 2.131個・0個になる確率 7.9% 2.13 土 0個 7.9% 金 平均 1.462個・0個になる確率 20.7% 1.46 金 0個 20.7% 水 平均 1.455個・0個になる確率 20.3% 1.46 水 0個 20.3% 理論値 十干は5種が均等、 十二支は土だけ4/12 棒 = 実測 1950〜2049年の全日 × 12時辰 = 438,300命式
図4 四柱8文字に各五行が平均いくつ出るか。棒が実測、点線が理論値です。下の数字は、その五行が1つも出ない命式の割合です。
五行平均(実測)平均(理論)0個になる命式
木1.4771.46720.2%
火1.4741.46719.2%
土2.1312.1337.9%
金1.4621.46720.7%
水1.4551.46720.3%
理論値と実測は小数第2位まで一致しました。土はほかの五行の約1.46倍出ます。

つまり「土が多い命式」の多くは、その人の特徴である前に、まず暦の構造です。逆に土が1つもない命式は7.9%しかなく、ほかの五行が0個になる確率(約20%)の半分以下。土がない命式のほうが、むしろ珍しい形です。

出生時刻が分からず3本の柱(6文字)で見る場合は、土の平均が1.60個、ほかが1.10個。土が0個になるのは15.1%、ほかは約30%でした。

この結果を受けて、四柱推命ナビの五行のバランスの欄に、平均的な出方を並べて表示するようにしました。自分の命式の土が多いか少ないかは、1.47ではなく2.13と比べて読むのが公平です。

六十干支は2つの歯車 ── 空亡はかみ合わせの余り

十干と十二支は、干支として組になって進みます。10枚歯と12枚歯の歯車をかみ合わせて回すようなもので、同じ組に戻ってくるのは最小公倍数の60回目です。これが六十干支です。

10 × 12 = 120通りの組み合わせがありそうですが、実際に現れるのは半分の60通りだけです。10も12も偶数なので、陽の干は陽の支とだけ、陰の干は陰の支とだけ組みます。甲子はあっても、甲丑は一度も現れません。

子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 現れる 60通り 現れない 60通り 甲子旬の10個 戌・亥 の列は 甲子旬で一度も 使われない = 空亡
図2 十干10 × 十二支12の格子。色のついた60マスだけが六十干支として現れます。金色は甲子から癸酉までの10個(甲子旬)で、戌と亥の列は一度も使われません。

六十干支を甲から始まる10個ずつに区切ったものを旬と呼びます。十干は10個しかないので、ひとつの旬が使う十二支も10個だけ。十二支のうち2つが、かならず使われずに残ります。これが空亡です。甲子旬なら戌と亥が残ります。

6つの旬の空亡を円の上に並べると、もうひとつ図形が出てきました。

子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 甲寅旬 甲子旬 甲戌旬 甲申旬 甲午旬 甲辰旬 六つの旬の空亡(2支ずつ)は、 十二支を「隣り合う2つ」ずつ 六組に分ける。 どの十二支も、ちょうど一つの旬で 空亡になる。 組の中点を結ぶと正六角形。
図3 六つの旬の空亡。十二支を隣り合う2つずつ六組に分け、組の中点を結ぶと正六角形になります。
6つの旬の空亡は、十二支を隣り合う2つずつの6組にきっちり分けました。どの十二支も、ちょうどひとつの旬で空亡になります。歯車のかみ合わせで余った歯が、円を六等分しているわけです。

こうして十二支の円の上には、三合の三角形、四正・四生・四庫の四角形、空亡の六角形が同時に乗っていることになります。3・4・6は、同じ正多角形だけで平面をすき間なく敷き詰められる、ただ3つの正多角形の辺の数と同じです。面白い一致ですが、これも12が3でも4でも6でも割り切れる、というだけのことです。

まとめ

十干は5の世界で、記事011で見たとおり五角形と五芒星の上に乗っています。十二支は12の世界で、三角と四角と六角に分けられます。四柱推命の暦は、この二つを60の歯車でかみ合わせたものでした。

かみ合わせで余った歯が空亡になり、5で12を割り切れないしわ寄せが土に来ている。図形として見ると、四柱推命のなかで「なぜそうなっているのか」がいくつか見えてきます。そしてそのどれもが、数の性質から出てくることで、それ以上の意味を足す必要はないと考えています。

続きの話:三合の正三角形は、十二運の「長生・帝旺・墓」そのものです。十二運の流派差を円の上で数えました ── 十二運は二通りに数えられる。