節入りは日付ではなく、太陽がある角度に達した瞬間です。だから毎年ずれ、節月の長さも均等になりません。最後に、この計算がどこまで当たっているかを国立天文台の公表値と突き合わせて出します。
九星気学の月は、カレンダーの1日には変わりません。節入りという瞬間に変わります。
その瞬間の定義は明快です。太陽黄経が15度の倍数に達した時刻。太陽が天球上を1年かけて一周する角度を15度ずつ区切ると、360 ÷ 15 = 24。これが二十四節気です。
24個のうち、ひとつおきの12個が「節」で、月の変わり目になります。あいだに挟まる12個は「中気」といって、月の中ほどの目印です。気学が使うのは節のほうだけ。立春・啓蟄・清明・立夏・芒種・小暑・立秋・白露・寒露・立冬・大雪・小寒の12個です。
ここから当然の帰結が出てきます。太陽が同じ角度に戻ってくるまでの時間は、365日ちょうどではありません。約365.2422日です。
暦の1年は365日、うるう年だけ366日。すると節入りの瞬間はこうなります。
ふつうの年をまたぐと 365.2422 − 365 = 0.2422日 → 5時間49分 遅くなる うるう年をまたぐと 365.2422 − 366 = −0.758日 → 18時間11分 早くなる
毎年およそ6時間ずつ後ろにずれていき、4年に一度うるう年で18時間ぶん引き戻される。結果として、のこぎりの歯のような形を描きます。実際に立春の時刻を計算するとこうです。
点にカーソルを合わせる(スマホは長押し)と正確な時刻が出ます。
4年ごとに斜めに登っては1日ぶん落ちる。この形がそのまま見えます。そして落ちた先が2月4日0時を下回ると、立春が2月3日になります。図の赤い点がそれです。
2021年、節分が2月2日になりました。124年ぶり、前回は1897年(明治30年)です。
節分は立春の前日なので、立春が2月3日にずれたから節分が2月2日になったということです。ニュースになったのは節分のほうでしたが、動いていたのは太陽の位置のほうでした。
2025年、2029年の立春も2月3日です。しばらくは4年ごとにこれが起こります。
もうひとつ、あまり書かれていないことがあります。節月の長さはバラバラです。
黄経を30度ずつ区切って12か月にしているのだから均等になりそうですが、そうなりません。地球の公転軌道が楕円だからです。太陽に近いところでは速く、遠いところでは遅く動く。同じ30度でも、通過にかかる日数が変わります。
最短は節月12月(大雪から小寒まで)の 29.47日。
最長は節月6月(芒種から小暑まで)の 31.43日。
その差は 1.96日。ほぼ2日です。
地球が太陽にいちばん近づく近日点は1月上旬、いちばん遠ざかる遠日点は7月上旬。最短の節月が12月〜1月、最長が6月〜7月にあるのは、そのままこの理由です。暦の数字が、軌道の形をそのまま写しています。
実用上も効きます。「節入りから何日目か」で見る作法があっても、その分母が29.5日の月と31.4日の月では意味が変わります。日数ではなく角度で考えるほうが安全です。
数値は2000〜2040年の平均。年によって数分の幅で動きますが、順序は変わりません。
ここまでの数字は、すべて当サイトの計算エンジンが出したものです。外部の暦データを持たず、太陽の見かけの黄経を Meeus の方法で計算し、それが目的の角度に達する瞬間を数値的に解いています。
では、それはどこまで当たっているのか。国立天文台が公表している2026年の暦要項と、1件ずつ突き合わせました。
| 節気 | 当サイトの計算 | 国立天文台 | 差 |
|---|---|---|---|
| 小寒 | 01/05 17:17 | 01/05 17:23 | −5分 |
| 立春 | 02/04 04:54 | 02/04 05:02 | −7分 |
| 啓蟄 | 03/05 22:48 | 03/05 22:59 | −10分 |
| 清明 | 04/05 03:27 | 04/05 03:40 | −13分 |
| 立夏 | 05/05 20:35 | 05/05 20:49 | −14分 |
| 芒種 | 06/06 00:36 | 06/06 00:48 | −12分 |
| 小暑 | 07/07 10:48 | 07/07 10:57 | −8分 |
| 立秋 | 08/07 20:38 | 08/07 20:43 | −4分 |
| 白露 | 09/07 23:40 | 09/07 23:41 | −0.4分 |
| 寒露 | 10/08 15:28 | 10/08 15:29 | −0.1分 |
| 立冬 | 11/07 18:49 | 11/07 18:52 | −2分 |
日付は11個すべて一致。時刻の差は 0〜14分で、いつも当サイトのほうが早い。
これは不具合ではなく、使っている方法の精度そのものです。Meeus の簡易法は太陽黄経で約0.01度の精度とされます。0.01度を時間に直すと 約15分。実測がぴったりその範囲に収まっています。
この誤差がふだん問題にならないのは、節入りが日付の変わり目にぶつかることが滅多にないからです。しかし、ぶつかる年があります。
2021年の立春は 2月3日 23時59分。日付の変わり目まで1分でした。当サイトの計算は 23時56分と出します。3分の余裕で正解しているだけで、もし誤差が逆向きに出ていたら「2月4日」と答えていたはずです。
だから当サイトは、節入りから30時間以内に生まれた方には出生時刻をお尋ねし、境界が近いことを明示します。そのうえで、日付が変わる寸前のケースでは国立天文台暦計算室の公表値を確認してください。あちらが正です。
自分の計算の誤差を測って書いておくのは、当たっているときより外れうるときのほうが読者に役立つからです。占いのサイトで精度の話をあまり見かけないのは、たぶん測っていないからだと思います。
ここまでを踏まえると、答えは短くなります。
節入りは分単位の瞬間だから、同じ日に生まれても午前と午後で月命星が変わることがある。年の区切りである立春も同じで、2月3日か4日かで本命星がまるごと1つずれます。
生まれた日が節入りから遠ければ、時刻は要りません。近ければ要ります。吉方位ナビが出生時刻を聞くのは、近いときだけです。
節気の時刻 太陽黄経を Meeus の方法で計算し、目的角度に達する瞬間を反復で解く ΔT Espenak & Meeus の多項式 節月の長さ 連続する節入りの差。2000〜2040年の41年ぶんを平均 のこぎり波 立春の時刻を2018〜2032年ぶん計算 誤差の実測 国立天文台「令和8年(2026)暦要項」の二十四節気と1件ずつ比較
誤差の表は、当サイトの出力と公表値をそのまま並べたものです。手心は加えていません。