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読みもの / 004

五行は五角形と五芒星でできている
── 吉方位が出やすい星、出にくい星

相生と相剋は、まったく別の法則ではありません。同じ5つの点を、隣どうしで結ぶか、ひとつ飛ばしで結ぶかの違いです。そしてそこから、本命星によって吉方位の出やすさが4.6倍も違うという結果が出てきます。

2026-09-08 / 陰陽道ラボ

5つの点を、二通りに結ぶ

五行を円周に等間隔で並べます。木・火・土・金・水の5点。

そこから隣へ1つずつ進むと、木→火→土→金→水→木。これが相生です。五角形の辺をなぞっています。

同じ5点で1つ飛ばしで進むと、木→土→水→火→金→木。これが相剋です。今度は対角線をなぞる。描かれるのは五芒星です。

相生
相生(+1ステップ)。五角形の辺。
相剋
相剋(+2ステップ)。五芒星の対角線。

点の位置はまったく同じです。結び方の歩幅が1か2かだけで、生む関係と剋す関係が出てきます。

なぜどちらも一筆書きになるのか

5点を歩幅 s で回るとき、5と s に共通の約数がなければ全部の点を通ってから出発点に戻ります。5は素数なので、s=1・2・3・4のどれでもこれが成り立つ。だから相生も相剋も、必ず5点すべてを一度ずつ通る閉じた輪になります。

歩幅たどる順できる図形意味
+1木→火→土→金→水五角形相生
+2木→土→水→火→金五芒星相剋
+3木→金→火→水→土五芒星(逆回り)相剋の逆
+4木→水→金→土→火五角形(逆回り)相生の逆

歩幅は4通りありますが、図形は2種類しかありません。+3は+2の逆回り、+4は+1の逆回りだからです。5点の上に引ける輪は、五角形と五芒星の2つだけ。相生と相剋で尽きているのは、五行が5つだからです。

6つだったらこうはなりません。6は素数ではないので、歩幅2で回ると3点で戻ってしまい、全部を通れない。5という数が、この対称性を成り立たせています。五芒星が古くから特別な図形として扱われてきたのも、この「5点を一筆で結べる唯一の星形」という性質と無関係ではないはずです。

ところが、九星への割り当ては均等でない

ここまではきれいな話でした。ここから崩れます。

九星に五行を割り当てると、こうなります。

五行九星
二黒土星・五黄土星・八白土星3
三碧木星・四緑木星2
六白金星・七赤金星2
一白水星1
九紫火星1

9を5で割り切れないので当然ではあるのですが、土だけが3つ、水と火は1つずつという偏りかたをしています。この偏りが、あとで効いてきます。

81通りを総当たりする

吉方位の判定は、その方位に回座している星と、自分の本命星との五行関係で決まります。関係は5種類です。

本命星9通り × 相手9通り = 81通り。全部並べるとこうなります。

一白二黒三碧四緑五黄六白七赤八白九紫
一白水星退退
二黒土星退退
三碧木星退
四緑木星退
五黄土星退退
六白金星退
七赤金星退
八白土星退退
九紫火星退退退
生気比和退退気 殺気死気
縦が自分の本命星、横がその方位に回っている星。青が吉、赤が凶。

81通りのうち、吉は49通り(60.5%)、凶は32通り。

ただし行によって内訳がまるで違います。三碧木星と四緑木星は吉が4つしかなく、二黒・五黄・八白・六白・七赤・九紫は6つあります。

木が不利なのは数えればすぐわかります。木を剋す金が2星、木が剋す土が3星。合わせて5星が凶。残る4つが吉です。逆に土は、比和になる仲間が自分を含めて3ついます。

では、実際の吉方位はどれくらい違うのか

ここまでは相性表の話で、実際の吉方位はさらに条件が付きます。年盤でも月盤でも吉であること、そして五黄殺・暗剣殺・歳破・月破・本命殺・本命的殺のどれにも当たらないこと。

これを全部かけ合わせると何が起こるのか。2026年から2035年までの120節月ぶん、本命星9通りすべてについて数えました。

00.511.51節月あたりの吉方位の数(平均)一白水星 平均0.70方位 吉方位ゼロの月 52%一白水星0.70二黒土星 平均0.73方位 吉方位ゼロの月 46%二黒土星0.73三碧木星 平均0.40方位 吉方位ゼロの月 67%三碧木星0.40四緑木星 平均0.35方位 吉方位ゼロの月 70%四緑木星0.35五黄土星 平均1.61方位 吉方位ゼロの月 14%五黄土星1.61六白金星 平均0.76方位 吉方位ゼロの月 47%六白金星0.76七赤金星 平均0.74方位 吉方位ゼロの月 43%七赤金星0.74八白土星 平均0.78方位 吉方位ゼロの月 43%八白土星0.78九紫火星 平均0.75方位 吉方位ゼロの月 47%九紫火星0.75
1節月あたりに出る吉方位の数(10年・120節月の平均)。バーにカーソルを合わせると、吉方位がゼロになる月の割合が出ます。

五黄土星は平均1.61方位。四緑木星は平均0.35方位。その差は4.6倍。

吉方位がひとつも出ない月の割合は、五黄土星が14%、四緑木星は70%。四緑の人は10か月のうち7か月、行ける方位がありません。

五黄土星だけが優遇される理由

種明かしをすると、規則の重なりです。

本命殺は自分の星がいる方位、五黄殺は五黄土星がいる方位。五黄土星の人にとっては、この二つが同じ方位になります。暗剣殺と本命的殺も同様に重なる。つまり五黄土星の人には、みんなに共通の凶方位のほかに、自分固有の凶方位が存在しません。

他の8星は、共通の凶方位に加えて本命殺・本命的殺の2方位が別に塞がります。八方位しかないところで2つ多く塞がるのは、かなり大きい差です。

さらに五黄が中宮に入る年・月には、五黄殺も暗剣殺も存在しません(中央には方位がないため)。この年月は全員にとって凶方位が減りますが、もともと得をしている五黄土星がさらに得をします。

木の星が不利な理由

こちらは相性表そのままです。九星のうち金が2つ、土が3つ。合わせて5つが木にとって凶。方位に回ってくる星のうち5/9が最初から失格なので、そこから年盤と月盤の両方で通過する必要があるとなると、残りはごくわずかになります。

これをどう受け取るか

「四緑木星は運が悪い」という話ではありません。吉方位という規則の設計上、そうなるというだけです。

実用としては、こう考えるほうが役に立ちます。

当サイトの吉方位ナビが「今月は吉方位がありません」と出すことがあるのは、計算に失敗したからではなく本当にないからです。この記事の数字が、その裏づけになります。

確かめ方

五行の巡回  5点を歩幅 s で回る。gcd(5, s)=1 なので s=1〜4 すべて一筆書き
相性の81通り 本命星9 × 回座星9 を総当たりし、生気/比和/退気/殺気/死気に分類
吉方位の実測 2026〜2035年の120節月について、本命星9通りぶん
       「年盤で吉 かつ 月盤で吉 かつ 六大凶方位でない」方位を数えた

五行の対応(一白=水、二黒=土、…)と吉凶の分類は一般的な立場に拠っています。流派によって退気を吉としない扱いもあり、その場合は吉の数がさらに減ります。読みもの001で使った盤の生成規則と、同じエンジンで計算しています。

つづき