相生と相剋は、まったく別の法則ではありません。同じ5つの点を、隣どうしで結ぶか、ひとつ飛ばしで結ぶかの違いです。そしてそこから、本命星によって吉方位の出やすさが4.6倍も違うという結果が出てきます。
五行を円周に等間隔で並べます。木・火・土・金・水の5点。
そこから隣へ1つずつ進むと、木→火→土→金→水→木。これが相生です。五角形の辺をなぞっています。
同じ5点で1つ飛ばしで進むと、木→土→水→火→金→木。これが相剋です。今度は対角線をなぞる。描かれるのは五芒星です。
点の位置はまったく同じです。結び方の歩幅が1か2かだけで、生む関係と剋す関係が出てきます。
5点を歩幅 s で回るとき、5と s に共通の約数がなければ全部の点を通ってから出発点に戻ります。5は素数なので、s=1・2・3・4のどれでもこれが成り立つ。だから相生も相剋も、必ず5点すべてを一度ずつ通る閉じた輪になります。
| 歩幅 | たどる順 | できる図形 | 意味 |
|---|---|---|---|
| +1 | 木→火→土→金→水 | 五角形 | 相生 |
| +2 | 木→土→水→火→金 | 五芒星 | 相剋 |
| +3 | 木→金→火→水→土 | 五芒星(逆回り) | 相剋の逆 |
| +4 | 木→水→金→土→火 | 五角形(逆回り) | 相生の逆 |
歩幅は4通りありますが、図形は2種類しかありません。+3は+2の逆回り、+4は+1の逆回りだからです。5点の上に引ける輪は、五角形と五芒星の2つだけ。相生と相剋で尽きているのは、五行が5つだからです。
ここまではきれいな話でした。ここから崩れます。
九星に五行を割り当てると、こうなります。
| 五行 | 九星 | 数 |
|---|---|---|
| 土 | 二黒土星・五黄土星・八白土星 | 3 |
| 木 | 三碧木星・四緑木星 | 2 |
| 金 | 六白金星・七赤金星 | 2 |
| 水 | 一白水星 | 1 |
| 火 | 九紫火星 | 1 |
9を5で割り切れないので当然ではあるのですが、土だけが3つ、水と火は1つずつという偏りかたをしています。この偏りが、あとで効いてきます。
吉方位の判定は、その方位に回座している星と、自分の本命星との五行関係で決まります。関係は5種類です。
本命星9通り × 相手9通り = 81通り。全部並べるとこうなります。
| 一白 | 二黒 | 三碧 | 四緑 | 五黄 | 六白 | 七赤 | 八白 | 九紫 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一白水星 | 比 | 殺 | 退 | 退 | 殺 | 生 | 生 | 殺 | 死 |
| 二黒土星 | 死 | 比 | 殺 | 殺 | 比 | 退 | 退 | 比 | 生 |
| 三碧木星 | 生 | 死 | 比 | 比 | 死 | 殺 | 殺 | 死 | 退 |
| 四緑木星 | 生 | 死 | 比 | 比 | 死 | 殺 | 殺 | 死 | 退 |
| 五黄土星 | 死 | 比 | 殺 | 殺 | 比 | 退 | 退 | 比 | 生 |
| 六白金星 | 退 | 生 | 死 | 死 | 生 | 比 | 比 | 生 | 殺 |
| 七赤金星 | 退 | 生 | 死 | 死 | 生 | 比 | 比 | 生 | 殺 |
| 八白土星 | 死 | 比 | 殺 | 殺 | 比 | 退 | 退 | 比 | 生 |
| 九紫火星 | 殺 | 退 | 生 | 生 | 退 | 死 | 死 | 退 | 比 |
81通りのうち、吉は49通り(60.5%)、凶は32通り。
ただし行によって内訳がまるで違います。三碧木星と四緑木星は吉が4つしかなく、二黒・五黄・八白・六白・七赤・九紫は6つあります。
木が不利なのは数えればすぐわかります。木を剋す金が2星、木が剋す土が3星。合わせて5星が凶。残る4つが吉です。逆に土は、比和になる仲間が自分を含めて3ついます。
ここまでは相性表の話で、実際の吉方位はさらに条件が付きます。年盤でも月盤でも吉であること、そして五黄殺・暗剣殺・歳破・月破・本命殺・本命的殺のどれにも当たらないこと。
これを全部かけ合わせると何が起こるのか。2026年から2035年までの120節月ぶん、本命星9通りすべてについて数えました。
五黄土星は平均1.61方位。四緑木星は平均0.35方位。その差は4.6倍。
吉方位がひとつも出ない月の割合は、五黄土星が14%、四緑木星は70%。四緑の人は10か月のうち7か月、行ける方位がありません。
種明かしをすると、規則の重なりです。
本命殺は自分の星がいる方位、五黄殺は五黄土星がいる方位。五黄土星の人にとっては、この二つが同じ方位になります。暗剣殺と本命的殺も同様に重なる。つまり五黄土星の人には、みんなに共通の凶方位のほかに、自分固有の凶方位が存在しません。
他の8星は、共通の凶方位に加えて本命殺・本命的殺の2方位が別に塞がります。八方位しかないところで2つ多く塞がるのは、かなり大きい差です。
さらに五黄が中宮に入る年・月には、五黄殺も暗剣殺も存在しません(中央には方位がないため)。この年月は全員にとって凶方位が減りますが、もともと得をしている五黄土星がさらに得をします。
こちらは相性表そのままです。九星のうち金が2つ、土が3つ。合わせて5つが木にとって凶。方位に回ってくる星のうち5/9が最初から失格なので、そこから年盤と月盤の両方で通過する必要があるとなると、残りはごくわずかになります。
「四緑木星は運が悪い」という話ではありません。吉方位という規則の設計上、そうなるというだけです。
実用としては、こう考えるほうが役に立ちます。
当サイトの吉方位ナビが「今月は吉方位がありません」と出すことがあるのは、計算に失敗したからではなく本当にないからです。この記事の数字が、その裏づけになります。
五行の巡回 5点を歩幅 s で回る。gcd(5, s)=1 なので s=1〜4 すべて一筆書き 相性の81通り 本命星9 × 回座星9 を総当たりし、生気/比和/退気/殺気/死気に分類 吉方位の実測 2026〜2035年の120節月について、本命星9通りぶん 「年盤で吉 かつ 月盤で吉 かつ 六大凶方位でない」方位を数えた
五行の対応(一白=水、二黒=土、…)と吉凶の分類は一般的な立場に拠っています。流派によって退気を吉としない扱いもあり、その場合は吉の数がさらに減ります。読みもの001で使った盤の生成規則と、同じエンジンで計算しています。